インド人のぼったくりに見る、”お金を稼ぐ”について。

2016/03/05




India

これは私がインドでひとり旅していた際の、初日の話。

インドの首都、デリーの空港に降り立ったのは2月29日の午前2時。

最近ではデリーの空港内で死体が発見されたりということもあったらしいが、朝を待つ観光客が空港のベンチに大勢いたので、気にせずベンチ近くの床で一眠り。

過去にもいろんな空港・バスターミナルで野宿を経験している身としては、床と接触する骨盤が少し痛い以外には特になにも気にならない。

何事もなく朝を迎え、空港からデリー中心の駅まで地下鉄で移動する。

が、外に出て間もなく、次から次へとインド人に話しかけられる。

まずは駅から歩いて10~15分ほどのホステルに向かおうとしていたが、駅の反対側への通り抜け方が分からず、駅員と思われる格好をしたインド人に聞く。

すると話しかけたインド人によると、今日から3日間は大規模な選挙があり、デリー中が騒然としているとのこと。

そして、「明らかに旅行者のお前がデカイ荷物を背負って歩いて行くのは非常に危険だ」と。

さらに、予約していたホステルのあるバザール地域は安全確保のため封鎖されており、正式なPermissionがないと入れないとのこと。

とりあえず40ルピー(60円ぐらい)のトゥクトゥクでバザールの入り口まで連れて行ってやるから自分で確認しろと言われ、本当は歩いていくつもりだったけど60円ならいいかなぁと思い、バザール付近と思しき場所まで連れて行かれる。

するとバザール入り口で警察の格好をした人に、なんでPermissionを持っていないのかと怒られ、別の場所に行けば無料でPermissionを発行してもらえると言われ、また連れて行かれる。

この時点で私は、”election”, “dangerous”, “riot”などの単語を聞いて、私は完全に中東でよくあるという選挙に付随するテロをイメージして、少しおびえていた。

さて、連れて行かれた事務所では、優しげなおじさんが予約していたホステルを調べてくれ、電話してくれる。

おじさんによると、付近が危険だから、今日はそのホステルに泊まることができないとのこと。

ちゃんと電話を代わってくれ、確かに自分で確認しても、確かに電話口の男は今日ホステルに泊まれないと言っている。

そして目の前のおじさんは、今日のデリーは本当に危ないから、何かしらの手段でなるべく早くデリーを離れるべきだと勧めてくれる。

次におじさんが見せてきたのはインドの鉄道の予約状況を確認するサイトの画面。

そしてサイトによると、次の目的地までの列車は、4日先まで全てFullとのこと。

「インドでは4、5日前に予約しないと長距離の電車は乗れないのを知らなかったのか?」

とか言われる。

完全にテロが頭によぎっている私としてはとりあえずデリーを離れようと思っていたが、進路が断たれた。

だがおじさんが、特別枠で予約できるところに電話してやるから、と言われて電話先の男と喋ったが、次の目的地であるリシュケシュという街までは、結局個人タクシーで2200ルピー(約36000円)もかかると言われる。

そして目の前のおじさんは、リシュケシュ以降の電車とホテルも一緒に予約してやるから、全部合わせて800ドル必要だ、と言う。

私がホテルはいらないと言うと、じゃあ電車のチケットだけで680ドルだ、とか。

一旦は680ドルでインドでの全ての鉄道を先払いすることも頭をよぎるが、まずはデリーを離れてから落ち着こうという結論に至り、結局、高いとは思いつつ、1900ルピー(約30,000円)の個人タクシーで5〜6時間かけてデリーからリシュケシュに向かうことを決める。

インドの相場からすれば非常に高いのは明確であったが、日本のタクシーで5〜6時間乗るとしたら・・・とか考えると、それぐらいなのかなぁとも思う。

そして、下ネタ大好きな別のインド人ドライバーに連れられ、タクシーでリシュケシュに向かう。

ドライバーとの会話はなかなか楽しめたし、結局、リシュケシュにも無事にたどり着いた。

夜は屋台でご飯を食べていたドイツ人老夫婦に話しかけたらけっこう楽しかったし、彼らと喋っていたらデリーから来たインド人旅行者がjoinしてきてさらに楽しくなったし、喋っているうちに今度は地元のおじちゃんもjoinして喋ってまたまた楽しくなった。

宗教色が強いからかビールが見当たらなかったのは残念だが、インド最初の夜を楽しく過ごせたことには満族。

さて、リシュケシュでやっとネットが使える環境に行け、本来デリーで会うはずだった友人に、デリーは選挙でやばいことになっていると報告する。

すると衝撃の一言

友達「え、それガイドブックで読んだことあるよ・・・・?」

おれ「え・・・・?」

つまりシンプルに言うと、私はまんまとぼったくりに騙されていたのだ。

・本当はその日にデリーで選挙なんてなく

・別の場所にスタンバイした3人で揃って同じ嘘をつき

・ホステルの電話番号を見せながら別の番号に電話をかけて別の男と喋らせ

・用意していたニセの鉄道予約画面を見せ

みんなでグルになってぼったくってきたわけだ。。。。。

念のために言っておくと、私は過去にも3度、同じようにひとりで海外を旅している。

しかし問題だったのは、旅慣れているという無駄な自信から全く下調べをせずに到着してしまったことと、中途半端に英語ができるから向こうの言ってる嘘の情報をちゃんと理解できてしまったこと。

ただ、ここで考えてみたいのは、彼らインド人のお金に対する飽くなき執着心。

お金を稼がないと食っていけない、家族を養えないという現実的な問題は確かにあるだろう。

だが、おそらく彼らはがめつく”お金を稼ぐ”ことを、そもそもそんなに悪いとは思っていないのではないだろうか。

それに対して日本人は”お金を稼ぐ”ことをどう捉えているか。

お金に執着しがち人は昔から煙たがられているし、最近でもnoteで収益を得る方たちを名指しで「金の亡者」として批難する者が現れる。

お金を稼いで何が悪いのか?

確かにお金が全てではないが、個人としてできることを活かして稼ぐことは、その人の能力の証明でもある。

そう考えると、今回のインド人たちの戦略は実によく練られたものである。

ひとりで騙すよりも取り分は減るが、騙せる確率は上がる、といったことまで綿密に計算されていたからだ。

・・・・・・・・・・・・・。

と、いろいろ無駄に考えてみたが、結局何が言いたいかと言うと、

「ぼったくられて悔しい」

これだけです。

今回の一件がただのムダな”出費”ではなく、こうして個人メディアを再開するきっかけとなる”投資”としてこの先機能するかどうかは、今後の私次第なのでしょう。

このようにまた何か執筆した際には、皆様お付き合いくださいませ。

おわり。